公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟

JGRA

» お問い合わせ

JGRA 公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟

最新ニュース

NEWS

石渡俊彦氏インタビュー(全編) | 会報誌JGRA NEWS NO45 研修会OB インタビュー

会報誌の誌面の都合上、割愛したインタビューの全編をお届けします。

石渡俊彦氏
スポーツコンディショニング研究所 代表
ゴルフスタジオf 代表
プロゴルファー フィジカルトレーナー

研修会に入ったきっかけを教えてください

私は小学校から高校までずっと野球一筋で、もともと野球で身を立てようという思いがあって、甲子園を目指せる強豪の高校にスカウトされて入学しました。

1年生の途中から試合にも出させてもらったんですが、1年の終わりに肩を壊して箸も持てない状態になりました。病院にも長く入院しましたが治らなくて、2年生の後半で野球を諦めることになった。3年生の時に、同学年のメンバーが夏の甲子園の3回戦まで勝ち進んだですが、その時は悔しくて試合を観ることができなかったですね。

卒業を控えて進路をどうしようかと考えた時に、ゴルフ練習場を経営していた私の親戚から、「プロゴルファーを目指してみないか」と言われ、「それじゃ、やってみようか」という軽い気持ちで始めました。実は、それまでほとんどクラブも握ったことがなかったんです(笑)。

それから、ゴルフ場でアルバイトのかたちでボール拾いをしながら練習をさせてもらいました。その親戚が中嶋常幸プロと親しくさせていただいて、その縁で門下生になりました。1年間ボールを打ち続けて、2年目にそろそろゴルフ場の研修生になった方がいいと薦められて、千葉県のオーク・ヒルズカントリークラブの研修生になりました。

研修生時代で、学んだことはありますか?

「プロテストは、合格したいという気持ちが強い人から順番に受かっていく」。

当時先輩から言われたその言葉は、今でも印象に残っています。それから、これはこれまでの人生を通じて学んだことですが、“我慢と努力をしなければ結果が出ない”ということを学びました。

それまでは、自分の運動能力の高さを持ってすれば、ある程度のレベルまでできるという自信があって、正直ゴルフを舐めているところがありました。ですから、23歳で2回目のプロテストに落ちた時は、相当にショックでしたね。自分は絶対受かると思って臨んだんですが、成績が伴わなかった。

能力があるはずなのに、なぜ成功に結びつかないのか。当時は、その答え探しに様々な本を読み漁りました。それは、ジャンルを問わず成功した人には、必ず共通するモノの考え方があるはずだと思ったからです。そこで、ただがむしゃらに努力するだけでは、技術は向上しないということがわかってきました。

努力ひとつをとっても、ただボールを打つだけでは上達しない。まずそこで自分を客観的に分析する能力がないといけない。では、具体的にどんなことをするのか。例えば、自分にとって不都合なことが起きたとします。ただ不満で終わる人もいれば、それは「何故だろう?」と考える人もいる。

外的な要因は自分の力では変えられないけれど、内的な要因であれば自分の心持ち次第で変えることができる。結局、それは物事の考え方だという答えに行き着きました。

そこで、まず中嶋プロの門下生を辞めました。人の真似をしていても、プロテストには受からない。まずは、自分のゴルフを客観的に見つめるために、考える習慣を付けることを心がけました。そうした努力を重ねて、自分の感情を分析できるようになり、自身のゴルフスタイルをつくり上げていったんです。

ゴルフトレーナーになったきっかけは?

努力を重ねて、30歳でようやくプロテストに合格。
32歳の時に中嶋プロ主催のミニツアーに優勝して、中嶋プロからツアートーナメント出場の推薦枠をもらいました。

「さあ、これから!」という時に、背中を痛めたんです。「初めは筋肉痛かな」と思ったんですが、まったく治る様子がない。残念ながら、中島プロにツアーの出場辞退を申し出ました。その故障が思ったよりも長引いて、1年ほどクラブが振れませんでした。「野球もケガで挫折して、今度はゴルフか・・・」、その時ほど自分の運命を恨んだことはありません。

それから、全国のスポーツ整形、鍼灸院を訪ねましたが、背中の痛みの原因が一向にわからない。それでもゴルフをめきれず、これは自分で治すしかないという信念を持って療術の専門学校に2年間通いました。

そこで、PNFという手技の医学療法を教える先生と出会って、私の背中の痛みの原因が股関節にあるとわかったんです。その股関節を動かす運動・ストレッチを継続的に行っていくと、驚いたことに何をやっても治らなかった激痛が一ヶ月ほどできれいに取れました。

その時に、自身の体験から「同じようなケガで困っている人の助けになれないか」と思い、ゴルファーとして勉強したスイングの理論と身体の動きを基に体系化したゴルフコンディショニングというスタイルを考案しました。

学校を卒業すると、中嶋プロにコンディショニングレッスンを提案して、翌年には服部道子プロをサポートしました。その実績が認められて、その後多くのトッププロのサポートをすることになります。野球やゴルフで故障をした辛い経験が、今のリハビリ・コンディショニングという仕事につながっているんです。

研修生に何かアドバイスはありますか?

ゴルフの仕事をしていますと、企業の経営者をはじめ様々な人と出会えるチャンスがいっぱいあります。

お客さまからは人生や仕事につながる話を聞き出せるチャンスがある。そういうことを意識して、お客さまと関わっていただきたい。あなたを選んだお客さまとの出会いは、単なる偶然ではありません。そこには「縁」があってつながりが生まれるわけですから、その縁を大事にして欲しいですね。

どういう人と出会って、どんな話をするかが、その人のこれからの人生を大きく左右します。お互いに成長できる関係性を持つこと、それがゴルフというスポーツを通じて得られる素晴らしいことの一つだと思っています。

公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟

Copyright © 2019 JGRA All Rights Reserved.